インボイスに係る経過措置の見直し(令和8年度税制改正の大綱P93)

令和8年度税制改正の大綱において、インボイス制度(適格請求書等保存方式)に関連するいくつかの重要な経過措置について、期間の延長や内容の見直しが示されています。

主な内容は以下の通りです。

1. 「2割特例」の延長と内容の変更

免税事業者からインボイス発行事業者になった小規模事業者の税負担を軽減する、いわゆる**「2割特例」**について、以下の見直しが行われます。

  • 対象期間と計算方法の変更: 個人事業者の令和9年(2027年)分および令和10年(2028年)分の各課税期間について、納付税額を売上税額の3割(売上税額に7割を乗じた額を控除)とすることができるようになります。
  • 簡易課税制度への移行: この特例の適用を受けた事業者が、その翌課税期間から簡易課税制度を適用しようとする場合、確定申告期限までに届出書を提出すれば、その翌課税期間からの適用が認められます。
  • 適用時期: 令和8年10月1日以後に終了する課税期間から本措置が適用されます。

2. 免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置の見直し

インボイス発行事業者以外の者(免税事業者など)からの仕入れであっても、一定割合を仕入税額控除できる経過措置の「控除可能割合」が段階的に見直されます。

  • 控除割合の段階的変更:
    • 令和8年10月1日 ~ 令和10年9月30日まで:70%
    • 令和10年10月1日 ~ 令和12年9月30日まで:50%
    • 令和12年10月1日 ~ 令和13年9月30日まで:30%
  • 適用上限額の設定(1億円ルール): 同一の免税事業者等からの課税仕入れの合計額が、その年またはその事業年度で1億円(現行は10億円)を超える場合、その超えた部分についてはこの経過措置の適用が認められなくなります。

3. その他の見直し

  • 適用時期: 上記の仕入税額控除に関する見直しは、令和8年(2026年)10月1日以後に開始する課税期間から適用されます。
  • 要望背景: 日本税理士会連合会などは、インボイス制度が定着するまでの間、これらの中小・小規模事業者への支援として、2割特例の継続や、8割控除(現在は現行制度の維持を要望)の継続などを求めていました。

今回の改正は、物価高への対応や事務負担への配慮、そして円滑な制度移行を目的として、現行の特例措置を修正しつつ期間を延長する内容となっています

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