「週20時間以上」働く従業員の社会保険の加入対象とスケジュール2025年12月現在

2025年12月現在、社会保険の適用拡大に関する改革はすでに大きく動いており、「2026年(令和8年)」は、パート・アルバイト等の加入要件がさらに厳格化される重要な転換点となる見込みです。
具体的には、これまで加入の目安となっていた**「月収8.8万円以上(年収約106万円)」という賃金要件が撤廃され、「週20時間以上」働けば(企業規模要件を満たす限り)原則として加入義務が生じる**形への変更が予定されています。
事業者(企業側)として押さえておくべきポイントを、2025年6月に成立した改正法等の情報を基に整理しました。
1. 2026年に予定されている最大の変更点
これまでパートタイマーが社会保険に加入する要件の一つに「月額賃金8.8万円以上(年収106万円の壁)」がありましたが、これが2026年中に撤廃される予定です。
これにより、「週20時間以上」働く従業員は、年収に関係なく社会保険の加入対象となります。
| 要件 | 現在(2025年12月時点) | 2026年以降(予定) |
| 週労働時間 | 週20時間以上 | 週20時間以上(変更なし) |
| 賃金要件 | 月額8.8万円以上 | 撤廃(いくらでも対象) |
| 企業規模 | 従業員数51人以上 | 51人以上(※2027年以降に拡大予定) |
| 雇用期間 | 2ヶ月超の見込み | 2ヶ月超の見込み |
| 学生 | 対象外 | 対象外 |
【ここがポイント】 これまでは「週20時間以上働いているが、時給等の関係で月収8.8万円未満だから加入しなくてよい」というケースがありましたが、2026年の改正施行後は、その逃げ道がなくなり、週20時間以上であれば自動的に加入対象となります。
2. 事業者が注意すべき「週20時間」の管理
「年収の壁(106万円)」が事実上消滅し、「週20時間の壁」だけが明確な基準として残ることになります。
- 労働時間の厳密な把握 契約上の所定労働時間が週20時間未満であっても、実労働時間が恒常的に週20時間を超えるような状態(2ヶ月連続して超え、今後も続く見込み等)であれば、加入義務が発生するリスクが高まります。
- 扶養内希望者への対応 「社会保険に入りたくない(扶養内にいたい)」という従業員は、明確に「週20時間未満」に労働時間を抑える必要が出てきます。これによる人手不足(働き控え)が加速する恐れがあるため、人員配置の見直しが必要です。
3. 今後のスケジュール(企業規模要件の撤廃)
「企業規模要件(現在は51人以上)」についても、2026年以降、段階的に引き下げ・撤廃されることが決定しています。小規模事業者も将来的には必ず対象になります。
- ~2026年:従業員数 51人以上 の企業が対象
- 2027年(令和9年)10月(予定):従業員数 36人以上 へ拡大か(※検討中・段階的施行)
- 2030年代:最終的に企業規模要件を完全撤廃(全事業所対象へ)
※個人事業所(5人以上)についても、これまでの「17業種(飲食や理美容などは対象外だった)」という制限が撤廃され、全業種で加入が必要になる改正も並行して進みます。
事業者が今すぐ確認・準備すること
- 自社が「51人以上」の要件に該当するか再確認 (現在の基準ですでに該当しているか、今後該当しそうか)
- 週20時間前後で働いているスタッフの洗い出し (特に、現在月収8.8万円未満で未加入の人がいれば、2026年に加入義務が発生します)
- 従業員への説明と意向確認 「週20時間以上働いて保険に入る」か「20時間未満に抑える」か、従業員と早めに相談を始める必要があります。