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令和8年度 雇用保険料率のご案内

2026年(令和8年)4月1日から、雇用保険料率が引き下げとなります。 

主な変更点は以下の通りです。

1. 雇用保険料率の改定

厚生労働省の告示により、2026年4月1日から2027年3月31日までの保険料率が確定しました。一般の事業では、全体の料率が前年度(1.45%)から 1.35% へ引き下げられます。 

  • 一般の事業:
    • 労働者負担: 0.6% → 0.5%(0.1%減)
    • 事業主負担: 0.85%(据え置き)
  • 農林水産・清酒製造の事業:
    • 労働者負担: 0.7% → 0.6%(0.1%減)
    • 事業主負担: 1.05%(据え置き)
  • 建設の事業:
    • 労働者負担: 0.7% → 0.6%(0.1%減)
    • 事業主負担: 1.15%(据え置き) 

2. その他の主な変更

  • 社会保険の扶養認定基準の変更: 2026年4月1日より、社会保険(健康保険・厚生年金)の扶養認定において、収入の算出方法が従来の「直近の実績」から「労働契約ベース」へと厳格化される新ルールが施行されます。
  • 子ども・子育て支援金の徴収開始: 同年4月から「子ども・子育て支援金」の徴収が始まり、健康保険料と併せて徴収されます。支援金率は0.23%程度となる見込みです。
  • 教育訓練給付の拡充: 自己都合離職者の給付制限期間の短縮(原則1ヶ月へ)など、2025年4月からの改正項目と合わせて、リスキリング支援の枠組みが継続・強化されています。

給与計算の注意点
4月1日以降に最初に支払われる給与から適用されるのではなく、一般的には「4月分給与(5月払い)」や「4月以降に発生した労働分に対する給与」から新料率を適用します。

3/26~4/25締めの給与の計算はどうなりますか?

2026年4月の雇用保険料率改定、実務上の判断に迷うポイントですよね。 結論から申し上げますと、ご質問の**「3月26日~4月25日締め」の給与には、全額に対して「新料率」を適用します。**

雇用保険料の計算において、日割り計算(4月1日前後で料率を分けること)は行いません。判断基準は以下の通りです。

判定のポイントは「締め日」

雇用保険料率は、原則として**「締め日(賃金計算期間の末日)が4月1日以降かどうか」**で判断します。

  • 今回のケース: 締め日が4月25日
  • 判断: 4月1日を過ぎてから締め日が到来しているため、計算期間の始まりが3月であっても、その給与全体に新料率を適用します。

【注意】 健康保険料などは「○月分の給与から」といった月単位の考え方をしますが、雇用保険は「その給与の計算期間がいつ終わるか(=いつの労働分か)」を基準にするため、このようなルールになっています。

社会保険の壁、残業代の扱い変更

「扶養(130万円の壁)の判定」において残業代を含めない運用が2026年4月から本格的に始まります。

また、勤務先の社会保険に強制加入となる**「106万円の壁(月額8.8万円)」についても、要件そのものを撤廃する大きな改正**が進んでいます。

状況を整理して解説します。


1. 「130万円の壁」判定で残業代が除外へ(2026年4月〜)

これまで、配偶者の扶養(第3号被保険者)にとどまれるかどうかの判定(年収130万円未満)には、残業代も含めた「実績」や「見込み」が使われてきました。しかし、これにより「残業すると扶養を外れてしまうから働かない」という働き控えが起きていました。

  • 緩和内容: 給与収入のみの場合、残業代を除いた「基本給+定例的な手当」のみで判定できるようになります。
  • メリット: 一時的な残業や、時給アップによる残業代増によって、意図せず扶養を外れるリスクが減ります。

2. 「106万円の壁」は要件自体がなくなる(2026年10月〜)

現在、従業員数51人以上の企業で働くパート・アルバイトの方が社会保険に入る基準の一つに「月額賃金8.8万円(年収約106万円)以上」というルールがあります。

  • 緩和内容: この**「月額8.8万円(賃金要件)」が撤廃される**ことが決定しました。
  • 新基準: 年収に関係なく、**「週の労働時間が20時間以上」**であれば、企業規模に関わらず(段階的に拡大)社会保険に加入することになります。
  • 残業代の扱い: もともとこの8.8万円の判定に残業代は含まれていませんでしたが、要件自体がなくなるため、「残業代を含む・含まない」を気にする必要がなくなります。

社会保険の適用要件(2026年改正のポイント)

項目現在(2025年まで)2026年以降(予定)
106万円の壁月額8.8万円以上の賃金が必要賃金要件を撤廃(週20時間以上で加入)
130万円の壁残業代を含む総収入で判定残業代を除いた基本給等で判定(4月〜)
企業規模51人以上の企業が対象段階的に全ての企業へ拡大(2027年以降〜)

3. 注意点:保険料の「計算」には残業代が入る

ここが混同しやすいポイントですが、「社会保険に入るかどうかの判定」では残業代を除外する方向ですが、「実際に払う保険料の計算」には、今まで通り残業代も含まれます。

[重要] 判定と計算の違い

  • 判定(入口): 「あなたは社会保険に入る人ですか?」を決める際は、残業代を抜いた金額でチェックして、入りやすく(あるいは扶養に残りやすく)する。
  • 計算(出口): 「毎月いくら払いますか?」を決める際は、実際に支給された総額(残業代込み)に基づいて計算される。

今回の改正は、主に「壁」を意識して労働時間を抑えている人たちが、より柔軟に働けるようにするための措置です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo_128154.html

「労働条件通知書(または雇用契約書)」は最も重要な書類になります。

これまでは「実際にいくら稼いだか(実績)」が重視されてきましたが、これからは**「通知書に何と書かれているか(契約)」**が判定の主役になるからです。

関係性を3つのポイントで整理します。


1. 判定の「証拠書類」になる

2026年4月以降の「130万円の壁」の判定では、残業代を除いた**「基本給 + 諸手当」が基準になります。その金額を証明する公的な書類が、会社から交付される労働条件通知書**です。

  • 今の判定: 過去3ヶ月の給与明細や、今後の見込み額(残業代込み)で判断。
  • これからの判定: **労働条件通知書に記載された「基本給」や「固定の手当」**の合計額で判断。

2. 残業代が「計算外」になる理由

労働条件通知書には、通常「基本給:時給1,200円」「週20時間勤務」といった決まった条件が書かれます。

残業はあくまで「突発的なもの」として扱われるため、通知書上の「基本給 × 契約時間」の計算に、変動する残業代は含まれません。

つまり:

通知書上の金額が「年換算で130万円未満」であれば、実際に残業をたくさんして合計の年収が130万円を超えてしまっても、扶養から外れにくくなるという仕組みです。

3. 「106万円の壁」撤廃との連動

2026年10月(予定)に「106万円の壁(月額8.8万円)」という金額基準自体がなくなりますが、その後の基準は**「週の所定労働時間 20時間以上」**になります。

この「週に何時間働く契約か」を証明するのも、やはり労働条件通知書です。


まとめ:労働条件通知書のチェックポイント

今後、扶養内で働きたい方は、契約更新の際に労働条件通知書の以下の欄を特に確認することになります。

確認項目2026年以降の重要性
基本給・諸手当この金額の合計(残業代抜き)で「130万円」判定が行われる。
所定労働時間「週20時間」を超えているかで、社会保険への強制加入が決まる。

アドバイス:

もし今、手元に「労働条件通知書」がない場合は、会社に再発行を依頼するか、次の契約更新時に必ず保管しておくようにしてください。これが「社会保険に入る・入らない」を決める唯一無二の証明書になっていきます。

税務申告書類の保管期間について

 税務申告に関する書類の保管期間は、法人か個人か、また書類の種類によって異なりますが、結論から言うと**「原則7年間」**と覚えておくのが最も安全です。

最新の制度に基づいた詳細を整理しました。

1. 法人の場合

法人の場合、法人税法により帳簿や書類の保管が義務付けられています。

書類の種類保管期間具体例
帳簿7年間総勘定元帳、仕訳帳、現金出納帳、固定資産台帳など
書類(決算・取引)7年間棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、領収書など
欠損金が生じた事業年度10年間赤字(欠損金)を翌年以降に繰り越す場合

 欠損金の繰越控除を受ける場合は、その年度の帳簿書類を10年間保管する必要があります(平成30年4月1日以降に開始した事業年度が対象)。

2. 個人事業主の場合

所得税法により、申告の種類(青色申告か白色申告か)で期間が変わります。

青色申告者の場合

  • 7年間: 帳簿(仕訳帳・総勘定元帳など)、決算書類(貸借対照表・損益計算書)、現金預金取引等関係書類(領収書・小切手控など)
  • 5年間: 上記以外の書類(請求書、見積書、納品書など)

白色申告者の場合

  • 7年間: 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿)
  • 5年間: 任意帳簿、それ以外の書類(領収書、請求書など)

3. 消費税に関する書類

消費税の課税事業者の場合、法人の種類や申告区分にかかわらず、消費税法によって7年間の保管が義務付けられています。

注意すべきポイント

  • 電子帳簿保存法への対応: 2024年(令和6年)1月より、電子的に受け取った領収書や請求書(メール添付のPDFやECサイトの領収書など)は、原則としてデータのまま保存することが義務化されました。紙に出力して保存するだけでは不十分な場合があるため注意が必要です。
  • 起算点に注意: 保管期間は「その書類を作成した日」からではなく、**「確定申告期限の翌日」**からカウントします。
  • 会社法上の規定: 税法とは別に「会社法」では、計算書類や帳簿の保管期間を10年間と定めています。そのため、会社(法人)の場合は一律で10年間保管する運用にしているケースも多いです。

インボイスに係る経過措置の見直し(令和8年度税制改正の大綱P93)

令和8年度税制改正の大綱において、インボイス制度(適格請求書等保存方式)に関連するいくつかの重要な経過措置について、期間の延長や内容の見直しが示されています。

主な内容は以下の通りです。

1. 「2割特例」の延長と内容の変更

免税事業者からインボイス発行事業者になった小規模事業者の税負担を軽減する、いわゆる**「2割特例」**について、以下の見直しが行われます。

  • 対象期間と計算方法の変更: 個人事業者の令和9年(2027年)分および令和10年(2028年)分の各課税期間について、納付税額を売上税額の3割(売上税額に7割を乗じた額を控除)とすることができるようになります。
  • 簡易課税制度への移行: この特例の適用を受けた事業者が、その翌課税期間から簡易課税制度を適用しようとする場合、確定申告期限までに届出書を提出すれば、その翌課税期間からの適用が認められます。
  • 適用時期: 令和8年10月1日以後に終了する課税期間から本措置が適用されます。

2. 免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置の見直し

インボイス発行事業者以外の者(免税事業者など)からの仕入れであっても、一定割合を仕入税額控除できる経過措置の「控除可能割合」が段階的に見直されます。

  • 控除割合の段階的変更:
    • 令和8年10月1日 ~ 令和10年9月30日まで:70%
    • 令和10年10月1日 ~ 令和12年9月30日まで:50%
    • 令和12年10月1日 ~ 令和13年9月30日まで:30%
  • 適用上限額の設定(1億円ルール): 同一の免税事業者等からの課税仕入れの合計額が、その年またはその事業年度で1億円(現行は10億円)を超える場合、その超えた部分についてはこの経過措置の適用が認められなくなります。

3. その他の見直し

  • 適用時期: 上記の仕入税額控除に関する見直しは、令和8年(2026年)10月1日以後に開始する課税期間から適用されます。
  • 要望背景: 日本税理士会連合会などは、インボイス制度が定着するまでの間、これらの中小・小規模事業者への支援として、2割特例の継続や、8割控除(現在は現行制度の維持を要望)の継続などを求めていました。

今回の改正は、物価高への対応や事務負担への配慮、そして円滑な制度移行を目的として、現行の特例措置を修正しつつ期間を延長する内容となっています

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